これだけは知っておきたい!アルバイト・パート関連 労務・法律知恵袋

労働時間・休日休暇

公開日:2014/09/22

労働時間

アルバイトにスタッフとして働いてもらう時、一日や一週間で労働させて良い時間は法律で決められており、これを法定労働時間と言い ます。ここでは3つの労働時間について解説すると同時に、法定労働時間を超えて労働させることができるようにする方法もお伝えしま す。

労働時間

①法定労働時間
 労働基準法において、使用者は労働者を1週間40時間、1日8時間を超えて働かせることはできないとされています。この時間を法定労 働時間といいます。
②所定労働時間
 法定労働時間に対して所定労働時間というものがありますが、これは法定労働時間を超えない範囲内で労働者が働くべき時間のことで す。
③時間外労働
 いわゆる残業です。これには2種類あります。法定労働時間を超える時間外労働のことを法定時間外労働といい、所定労働時間を超え る時間外労働のことを所定時間外労働といいます。もし、企業が法定労働時間よりも短い所定労働時間を設定している場合は、所定労働 時間を超えて法定労働時間に達するまでの時間外労働については割増賃金を支給する必要はありません。つまり所定労働時間が毎日7時 間である企業においては、7時間を超えて8時間までは時間外労働とはなりますが、割増賃金を支払うことなく、働かせることができる のです。

先にお伝えした法定労働時間を超えて労働をさせることは法律違反ですが、2つの手続きを実施することによって、適法に法定労働時間 を超えて労働させることができるようになります。1つは36協定を締結すること、もう1つは使用者が残業を命じ労働者はそれに従うこ とを契約することです。

①36協定の免罰的効果

36協定は正式には時間外休日労働に関する労使協定というものですが、労働基準法第36条に根拠条文があるため通称36協定と呼ばれてい ます。この労使協定は使用者と労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がな い場合においては労働者の過半数を代表する者との間で、1日、1ヶ月、1年などの各期間について何時間の時間外労働をさせることが できるかを協定します。この協定の締結と労働基準監督署への届出によって協定した時間までは働かせても、法律違反にはならないとい う効果(免罰的効果)を生みます。

②残業命令の根拠

もう一つの手続きは残業させることを労使間で契約することです。通常労働条件通知書や労働契約書には始業時刻と終業時刻と休憩時間 、いわゆる所定労働時間を記載しますが、このとき労使が契約しているのは所定労働時間働くことだけです。それを超えた時間については何も約束してないという状況になっています。
よく、36協定を締結することによって残業ができるようになると言われますが、36協定の効果は法定労働時間を超えて働かせても罰せられない効果(免罰的効果)のみであるため、時間外労働を行う労働者の義務とそれを命令する使用者の権利については、時間外労働をさせる旨を明確に契約書や就業規則に記載しておく必要があります。

比較的導入しやすい1ヶ月単位の変形労働時間制とは

法定労働時間の原則は1週40時間、1日8時間以内ですが、特定の曜日によって業務量が増えたり、月末月初は忙しいなど、日によって しさが異なる企業は多いでしょう。あらかじめ業務の繁閑が分かっているのであれば、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入する旨を就業規則に記し、1ヶ月を平均して1週間の所定労働時間が40時間以内になるように設定すれば、特定の日について8時間、特定の週について40時間を超える所定労働時間を設定することができます。たとえば、月初は業務で必ず10時間働くことが分かっているのであれば、最初 からその日の所定労働時間を10時間に設定し、別の日に所定労働時間が6時間となる日を設定しておけばよいのです。なお、1ヶ月単位の変形労働時間制については、あらかじめ各労働日毎の労働時間を示すことによって各人毎に所定労働時間を設定することが可能です。ただこの制度を導入する場合には注意が必要です。8時間を超えて働けば、残業代がもらえるという取扱いが一般的な従業員の感覚であるため、「うちの会社は10時間働いても残業代がもらえない」と従業員が不満を抱く可能性があります。もし1ヶ月単位の変形労働時間制を導入する場合は、法律で認められている制度であるからと安易に導入することなく、しっかり従業員に説明し、理解させたうえで導入する必要があります。

※月曜日に10時間働く場合、【原則の労働時間制度】だと2時間は残業となる。しかし、【変形労働時間制度】を導入した場合、その2時間を残業ではなく、所定時間内労働とすることが可能である。

労働時間に関するよくあるQ&A

Q1.残業する従業員は一人なのですが、他の従業員がいわゆる付き合い残業をしています。なにかよい改善方法はありませんか?

A.業務としては一人で処理できるのですが、帰りにくい雰囲気だったり、おしゃべりをしていたりして、他の従業員が残ってしまっているケース。そのような場合の対策としては、残業の事前許可制が有効です。突発的な対応については事前申請は難しいですが、あらかじめ予測できる残業については、事前に何時から何時までどのような業務を行うため残業を許可してください。という申請書を提出させる仕組みを導入することによって、付き合い残業を減少させることが可能です。

Q2.昼休みに会社に残っている従業員に、電話がかかってきたら出るように指示をしたところ、「残業代はもらえるんですよね?」と言われてしまいました。電話がかかってくるかどうかも分からないのに、残業代を支払う必要があるのですか?

A.休憩時間とは完全に労務から離れることを保証された時間でなければなりません。よって、「もし電話がかかってきた場合は電話に出るように。」という指示をした場合は、従業員が完全に労務から離れられなくなってしまうため、昼休みは休憩時間ではなくなり、その分の賃金(残業代)の支給が必要になってしまいます。留守番電話を設定したり、使用者の携帯に転送されるように設定しておく方法が考えられますが、どうしても従業員に電話に出てもらいたい場合は、休憩を交替制にし、電話当番の時間については労働時間として取扱う必要があります。

Q3.法定労働時間(週40時間、1日8時間)を超える勤務シフトを組んだ場合、割増賃金の支払いは必要ですか?

A.そもそも労働基準法上、時間外・休日労働が許されるのは、①時間外・休日労働協定(いわゆる36協定)による時間外・休日労働、②非常事由による時間外・休日労働(所轄労働基準監督所長の許可を要する)及び③公務のための時間外・休日労働のそれぞれによる場合であり、使用者はいずれの場合においても割増賃金の支払義務を負います。
アルバイト・パートを多く使用する事業所では、月単位で勤務シフトを組むケースが多いと思いますので、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入し、1ヶ月以内の一定期間を平均し、1週間の労働時間が法定労働時間の範囲内におさまっていれば、特定の日や週に法定労働時間を超えて勤務させても、割増賃金を支払う必要はありません。
尚、1ヶ月単位の変形労働時間制を導入する為には、労使協定または就業規則等により、導入する旨の定めをし、労働条件通知書や労働契約書にも記載しておきましょう。

Q4.退勤後のアルバイトに電話をして仕事の内容について確認した場合、時給は発生しますか?
A.「判例では、『労働時間か否かは、労働者の行為が使用者(会社)の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより、客観的に定まる』とされています。
つまり、状況次第では、労働時間と評価できないケースがあるということです。たとえば、電話に対応するかどうかが、労働者の自由であるなら、労働時間にあたらないことになります」
逆にいうと、会社からの電話やメールに時間外でも対応するようあらかじめ指示されている場合には、労働時間にあたると考えられ、給料の支払いが必要となります。

Q5. 採用したアルバイトに店の研修に参加してもらうにあたり、事前に宿題を自宅でやってきてもらうことは可能ですか?

A.宿題としてレポートなどが要求された場合には、その作成時間、場所の拘束がなく裁量的なものであれば自宅学習時間と同様と解され、使用者の指揮命令下に業務を遂行する時間ではないため、労働時間とはなりません。

Q6. 制服に着替えている時間は勤務時間に入りますか?

A.所定部署につく以前の作業服への着替え、保護具の装着などは労働時間ではないと解するのが通説ですが、例えば会社の命令(就業規則その他の社則または慣行)として一定の時間に所定の更衣室において使用者の指揮命令を受けて更衣することが義務付けられ拘束されており(社外での着用が禁止されている)、かつ服装についての点検がその場でなされる場合、一般従業員とは違うその業務の性質上特殊な服装をしなければならない場合は労働時間と解される場合があるため、注意が求められます。

中川公認会計士税理士事務所

中川公認会計士税理士事務所

平成17年開設、公認会計士・税理士・社会保険労務士など各分野の専門家が在籍し、会社設立業務・税務代理業務から株式公開支援業務・事業承継サポートまで幅広くお手伝いさせていただいています。経営革新等支援機関に認定され融資にも強い実績があります。
また、業務規則作成業務や各種規則見直しなどの労務関係の提案・助成金申請代行業務など幅広く関与させていただき、常に「お客様目線でサービスできる会計事務所」を心がけております。お気軽にご相談ください。 (中川公認会計士税理士事務所ホームページ

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