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労働契約

公開日:2014/09/22

労働契約

労働契約はアルバイトの労働に対して店長が賃金を支払うという約束のことです。民法では「契約の形式は自由」とされているため、口頭のみでも成立します。それでは契約書や労働条件の書面での明示がなくても問題はないのでしょうか。

労働契約書を交わし、最初に労働条件の確認をしっかり行っておくことが大切

労働契約は、労働者が働くことに対して、使用者が賃金を支払うことを約束することで成立します。契約の成立に「書面を交わすこと」が要件とされていないので、例えば店長等が「今日から働いて」と労働契約の申込みを行い、それに対して応募者が「わかりました」と承諾をすれば成立します。契約の形式は自由ですから、民法においては、労働契約は口頭のみでも成立するのです。
そのため労働契約書の締結はおろか、労働条件の明示さえなされないまま従業員を働かせてしまうことがあります。しかし、詳細を取り決めずに、口頭だけでの約束をしていると、後から双方の認識に食い違いが生じ、「言った、言わない」の争いなることは少なくありません。無用なトラブルを防ぐためには、労働契約書を交わしたうえで、最初に労働条件の確認をしっかり行っておくことが大切です。 例えば、面接では仕事ができそうだと感じたものの、実際働かせてみたら、まったく仕事ができないということもあり得ます。その従業員を辞めさせたいとき、もしも試用期間等、短期の有期労働契約であることを書面で明示していれば、その期間満了時に契約を更新しなければよいだけです。しかし、契約時に期間の定めをしていなければ、解雇せざるを得ない状況となり、契約期間満了で辞めてもらうよりも、トラブルになる可能性が高まります。
労働基準法は、雇用に関するトラブルを防止するため、契約期間や就業の場所、従事すべき業務、就業時間、残業の有無や賃金などについては書面で明示することを義務付けており、違反すれば30万円以下の罰金が科せられることがあります。またパートタイム労働法においては、昇給、退職手当、賞与の有無についても書面明示が義務付けられており、こちらも違反すれば10万円以下の科料が科せられることがあります。
また法律上求められているのは明示ですが、その労働条件を労働者も了承した証拠を残すために、双方の署名が入った契約書の形が望ましいことはいうまでもありません。
民法第623条
「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。」

労働契約法第6条
「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」

使用者が労働者へ明示しなければならない労働条件

労働基準法施行規則 第五条
①労働契約の期間
②就業の場所及び従事すべき業務
③始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
④賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期
⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
⑥昇給に関する事項
⑦退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期
⑧臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項
⑨労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
⑩安全及び衛生に関する事項
⑪職業訓練に関する事項
⑫災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
⑬表彰及び制裁に関する事項
⑭休職に関する事項  等

労働契約に関するよくあるQ&A

Q1.契約した勤務時間を変更することは可能ですか?

A.例えば、1日8時間労働で、午前8時半~12時と午後1時~午後5時半の勤務時間を、午前8時半~12時と午後4時~午後8時半とすることは、1日の総労働時間は8時間で同じですので、勤務時間帯を変更しても法違反とはなりません。ただし、労働条件の変更になるため、個々の従業員の同意が必要です。

■関連法規
[労働契約法 第8条]
労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の 内容である労働条件を変更することができる。

Q2.アルバイトが店内の備品を破損した場合、この金額を請求することはできますか?

A.労働基準法第16条では「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」と定めています。しかしながら、実際に生じた損害について賠償を請求することは、これにはあたらず、労働基準法ではなんら規定はされておりません。 ただし、企業は従業員の業務の執行を通じて事業を行い、利益を上げているということもあり、原則として従業員に対して実際の損害額を請求することは難しく、仮に従業員に過失が認められた場合であっても、損害賠償の請求額は、一定の限度に制限されると考えることが相当です。トラブルを防止するためにも、従業員の過失によって発生させた事故の損害を、どの程度請求できるかについて、就業規則等に定めておくことが望まれます。

中川公認会計士税理士事務所

中川公認会計士税理士事務所

平成17年開設、公認会計士・税理士・社会保険労務士など各分野の専門家が在籍し、会社設立業務・税務代理業務から株式公開支援業務・事業承継サポートまで幅広くお手伝いさせていただいています。経営革新等支援機関に認定され融資にも強い実績があります。
また、業務規則作成業務や各種規則見直しなどの労務関係の提案・助成金申請代行業務など幅広く関与させていただき、常に「お客様目線でサービスできる会計事務所」を心がけております。お気軽にご相談ください。 (中川公認会計士税理士事務所ホームページ

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