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労働契約

公開日:2014/09/22

内定取り消し

例えば採用面接で合格となり、承諾の返事をもらっていたアルバイトがいたが、その後面接した応募者の中にもっとスキルの高い人がいました。この場合、店長は一度出した採用を取り消すことはできるのでしょうか。

合理的と認められる正当な理由がなければ採用内定取消を行うことはできない

わが国では新規学卒者を中心に就労開始前に「採用内定」という段階を経ることが一般的となっています。
まずは採用内定の法的性格ですが、そもそも会社が内定者に対して採用する旨の通知を行い、それに対して内定者が誓約書等を提出した時点で、労働契約は成立するとされています。
このように採用内定によって労働契約が成立することから、採用内定取消は労働契約の解約、つまり解雇に当たり、労働契約法第16条の解雇権の濫用についての規定が適用されます。そのため企業としては、合理的と認められる正当な理由がなければ採用内定取消を行うことはできないということになります。
例えば「採用」と伝えていたが、その後に面接した応募者の方が良かったから、その「採用」を取り消した等の場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上認められない場合に該当し、採用内定取消は無効となります。

採用内定取消が客観的に合理的と認められる正当な事由

上記のことから、採用内定取消の効力は、その取消が合理性・相当性を有する場合のみ認められることになり、客観的に合理的と認められる正当な事由としては、以下のようなものが挙げられます。

①条件付き労働解約の場合の条件の成就または不成就
 学校を卒業できなかった場合、入社の際に必要と定められた免許・資格が取得できなかった場合等

②採用内定取消事由を約束している場合のその取消事由の発生
 健康を著しく害した場合、履歴書や誓約書などに虚偽の記載がありその内容や程度が採否判断にとって重大なものである場合等

③その他の不適格事由の発生
 犯罪行為を犯しての逮捕、起訴等

やむを得ず採用内定取消を行わなければならない場合は

以上のように内定者本人に問題がある場合はともかく、企業の業績悪化により採用内定取消をせざるを得ない場合というのは、大きな問題を抱えることになります。まずはあらゆる手段を尽くし、採用内定取消を避けることが求められますが、それでもなお、採用内定取消を行わなければならない場合の手続きとしては、労働基準法に基づいた対応が求められます。
採用内定取消について同法の第20条(解雇の予告)および第22条(退職時等の証明)の規定が適用されます。そのため、解雇予告等の解雇手続きを適正に行う必要があり、内定者が採用内定取消の理由について証明書を請求してきた場合は、遅滞なくこれを交付する必要があります。

関連法規

[労働契約法第16条]
 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

[労働基準法第20条]
 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合においては、この限りでない。
2 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
3 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

[労働基準法第22条]
 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
2 労働者が、第二十条第一項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。
3 前二項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
4 使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第一項及び第二項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。

■参考リンク

中川公認会計士税理士事務所

中川公認会計士税理士事務所

平成17年開設、公認会計士・税理士・社会保険労務士など各分野の専門家が在籍し、会社設立業務・税務代理業務から株式公開支援業務・事業承継サポートまで幅広くお手伝いさせていただいています。経営革新等支援機関に認定され融資にも強い実績があります。
また、業務規則作成業務や各種規則見直しなどの労務関係の提案・助成金申請代行業務など幅広く関与させていただき、常に「お客様目線でサービスできる会計事務所」を心がけております。お気軽にご相談ください。 (中川公認会計士税理士事務所ホームページ

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