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就業規則・個人情報

公開日:2014/09/24

就業規則

みなさんは就業規則がどのようなものか理解し、きちんとアルバイトにも浸透させていますか?就業規則について誤った認識をしていると、経営上のリスクを高めてしまう可能性があります。少しでもそのリスクを減らすにはどうしたら良いのでしょう。

あらかじめ就業規則を作成・周知しておくことは、あらゆるリスク回避になる

①就業規則を作成・周知をしていない企業が多い

就業規則の作成や届出を行っていない、もしくは、就業規則は作成してあるものの、普段は金庫の奥底にしまっていて従業員の目に触れない、という企業も少なくないようです。このように就業規則が周知されていないことの大きな原因のひとつは、就業規則に対する誤った認識にあります。
多くの経営者は、就業規則とは従業員の権利を記載したものである、という認識を持っているようです。就業規則には、年次有給休暇や時間外割増賃金などの従業員の権利が記載されています。しかしそれらの多くは、法律上当然に従業員に与えなければならないもので、たとえ就業規則を作成していなかったり、周知していないとしても、法律に基づき従業員に与えなければならないものです。
いまやインターネットで検索すれば、パートやアルバイトでも年次有給休暇の権利があるといった情報を簡単に得ることができる時代です。このように考えると、就業規則を従業員の目に触れないようにしておくことは、それほど意味のある行為ではなく、後述するとおり、むしろ経営上のリスクを高めることになると考える必要があります。

②就業規則を作成・周知していない企業のリスク

就業規則を作成・周知しない企業にとって、何よりも怖いのは、不祥事を起こした従業員に対する懲戒処分を課すことが難しくなってしまうことでしょう。
例えば「従業員がレジからお金を持出していた」、「従業員が仕入業者からバックマージンをもらっていた」、「従業員がお客様に怪我をさせてしまった」などといったトラブルがあった場合、経営者としてはその従業員に対して懲戒処分を行いたいところです。しかし懲戒処分を行うためには、あらかじめ就業規則を作成・周知しておくことが求められます。懲戒処分ができなければ、トラブルを起こした本人に反省させることもできませんし、周りの従業員にも、「あれくらいなら懲戒処分されないんだ」となめられてしまうことにもなりかねません。結果、企業の規律が保てなくなり、従業員のモラル、やる気も下がり…、と負のスパイラルに陥ってしまうのです。

③就業規則の作成と周知のポイント

(1)就業規則の作成
「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種類及び事由を定めておくことを要する」とした最高裁の判例があります。「懲戒の種類及び事由を定めておく」とは、どんなことを行ったら、どんな懲戒になるかを定めておくことを指します。
つまり、例えば「会社の金銭を盗んだ場合は懲戒解雇」、「シフトに穴を開けたときは譴責」、などといったように、就業規則において、懲戒の程度を定めておく必要があるのです。この時、あまりにも限定してしまうと、想定外の問題が起こった時に懲戒処分ができませんので、「その他前各号に準ずる行為があったとき」という包括的な一文を付け加えることは忘れないようにしてください。
また就業規則の雛型によっては、「懲罰委員会の審議を経て処分を決する」という一文が入っていることがありますが、法律は必ず懲罰委員会を置くことを要求しているわけではありません。懲罰委員会は公正な懲戒処分のためには非常に有効な仕組みですが、もしも現実的に懲罰委員会を設けることが困難な規模であるのに、就業規則に「懲罰委員会の審議を経て」と記載してしまえば、必ず懲罰委員会を開催する必要がありますのでご注意ください。

(2)就業規則の周知
更に最高裁の判例は「就業規則が法規範としての性質を有するものとして、拘束力を生ずるためには、その内容を、適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続きが採られていることを要するものと言うべきである」と述べています。
つまり、懲戒処分を行うためには、就業規則を作成するだけでなく、従業員への周知が必要なのです。周知はトラブル発生後の懲戒ができるようになる効果だけでなく、きちんと周知すればトラブルを事前に防ぐことに繋がります。入社時のオリエンテーションで説明することは当然として、例えばミーティングの際にも定期的に「知り合いの店でこんな不祥事があったが、当店でこんなことがあった場合は…」といったように話をし、自社の考え方や価値観を共有することで、不祥事の予防に活用することも大切でしょう。

就業規則を作成・周知していなければ、企業は、従業員がトラブルを起こした際に懲戒を行うことが難しくなり、無用なトラブルを呼ぶことにもなりかねません。確かに10人未満の従業員を使用する企業においては、就業規則の作成や届出の義務がないとされていますが、たとえ就業規則の作成義務がなくても、就業規則に懲戒規程を定め、確実に従業員に浸透させてトラブルを未然に予防することが重要です。


中川公認会計士税理士事務所

中川公認会計士税理士事務所

平成17年開設、公認会計士・税理士・社会保険労務士など各分野の専門家が在籍し、会社設立業務・税務代理業務から株式公開支援業務・事業承継サポートまで幅広くお手伝いさせていただいています。経営革新等支援機関に認定され融資にも強い実績があります。
また、業務規則作成業務や各種規則見直しなどの労務関係の提案・助成金申請代行業務など幅広く関与させていただき、常に「お客様目線でサービスできる会計事務所」を心がけております。お気軽にご相談ください。 (中川公認会計士税理士事務所ホームページ

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