これだけは知っておきたい!アルバイト・パート関連 労務・法律知恵袋

退職・解雇

公開日:2014/09/24

退職手続き

何かしらの理由でアルバイトが辞めることになった際、店長が必ず行わなければならないことが離職票や源泉徴収票の手続きです。連絡が取れないスタッフの退職手続きは特に難しくなります。それは、本人の意思が確認できなければそれは自己都合退職にはできず、懲戒解雇の対象になるからです。

退職理由によって手続きは異なる

従業員が退職するときは会社へ、退職願や健康保険被保険者証など各種社会保険手続に必要な書類の提出を求めることになりますが、機密保持に関する誓約書などに署名捺印のうえ提出してもう必要があることもあります。 会社から渡す書類としては、離職票や源泉徴収票などがあります。特に、離職票は従業員が失業給付を受ける権利があるか、受けられる場合どれだけうけとることができるかを証明する大切な書類ですから、退職する従業員が雇用保険の加入者である場合には、速やかに手続きを行う必要があります。
 退職後の手続きは、その退職理由(転職、病気、解雇・倒産、定年等)によって異なります。雇用保険はハローワーク、健康保険(任意継続を希望する場合)は年金事務所、国民健康保険、国民年金は従業員のお住まいの市区町村に問い合わせてください。

よくある質問で、こんなケースがあります。14日以上無断欠勤したので、就業規則に基づき、自己都合退職として社会保険を喪失させても良いでしょうか?
残念ですが、本人からの退職の意思が確認できていない場合には、勝手に自己都合退職とはなりません。連絡を取ろうとしたが、連絡が取れないということであれば、懲戒解雇を考えていくこととなります。
従業員を懲戒解雇するためには、就業規則またはこれに準ずるものにおいて懲戒の種類と事由を明記し、周知説明しておく必要があります。就業規則の懲戒解雇の規定に「正当な理由なく無断欠勤が14日以上続いたとき」といった定めがあったうえで、解雇の意思表示を行わなければなりません。
しかし、本人と連絡が取れない状態にある以上、解雇の意思表示を相手方へ到達させることは困難です。このような場合、本来は民法第98条の公示送達という法的手段によって、懲戒解雇の意思表示の到達擬制を行うことになります。
しかしながら、公示送達はその煩雑さ等から現実的には行わない企業も多いところです。そこで、近年では就業規則や労働契約の中に、「会社からの出社の督促にも関わらず、一定期間以上の無断欠勤を行った際には退職とする」という条項を設けておき、その規定に一定の根拠をもって退職とすることがあります。
また、懲戒解雇の場合でも労働基準監督署長による解雇予告の除外認定を受けない限り、解雇予告もしくは解雇予告手当の支払いが必要になりますので、ご留意ください。

■関連法規
民法 第97条(公示による意思表示)
 意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。
2 前項の公示は、公示送達に関する民事訴訟法 (平成八年法律第百九号)の規定に従い、裁判所の掲示場に掲示し、かつ、その掲示があったことを官報に少なくとも一回掲載し行う。ただし、裁判所は、相当と認めるときは、官報への掲載に代えて、市役所、区役所、町村役場又はこれらに準ずる施設の掲示場に掲示すべきことを命ずることができる。
3 公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。ただし、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。
4 公示に関する手続は、相手方を知ることができない場合には表意者の住所地の、相手方の所在を知ることができない場合には相手方の最後の住所地の簡易裁判所の管轄に属する。
5 裁判所は、表意者に、公示に関する費用を予納させなければならない。

労働基準法 第20条(解雇の予告)  使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
2 前項の予告の日数は、1日について平均賃金を支払った場合においては、その日数を短縮することができる。
3 前条第2項の規定は、第1項但書の場合にこれを準用する。

労働契約に関するよくあるQ&A

Q1.退職者の給与は、いつまでに支払わなければいけないといった決まりはありますか?

A.給料の支払いが、月末締めの翌月25日払いなどと決まっていても、退職者の請求があれば7日以内に(全額)支払わなければならない」とされています。ただし,退職金は,就業規則等で定められた支払時期に支払えばよいとされています。
■関連法規
労働基準法第23条(金品の返還)
使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。
2 前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。

Q2.採用手続きが完了していないアルバイトが辞めてしまった場合、給与を支払う必要がありますか?

A.採用手続きが完了していないからといって、会社は賃金の支払を免れるものではありません。
また、たとえ1日しか在籍していなくても、社会保険料は1ヶ月分、健康保険料も厚生年金保険料も納めなくてはならないことになっています。社会保険料は労使折半なので、会社も労働者も保険料を負担しなければなりません

中川公認会計士税理士事務所

中川公認会計士税理士事務所

平成17年開設、公認会計士・税理士・社会保険労務士など各分野の専門家が在籍し、会社設立業務・税務代理業務から株式公開支援業務・事業承継サポートまで幅広くお手伝いさせていただいています。経営革新等支援機関に認定され融資にも強い実績があります。
また、業務規則作成業務や各種規則見直しなどの労務関係の提案・助成金申請代行業務など幅広く関与させていただき、常に「お客様目線でサービスできる会計事務所」を心がけております。お気軽にご相談ください。 (中川公認会計士税理士事務所ホームページ

一覧へ戻る

採用ご担当者様・店長様向け新規無料会員登録キャンペーン!

無料メールマガジン

人材採用に関するお役立ち情報満載のメールマガジンをお届けします。

ユーザー登録はこちら

TOP