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公開日:2019/08/20

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【多様な働き方を研究するコラム】昭和の働き方がトンデモに思えてきた今日この頃

覚えていますか?平成元年の流行語大賞「24時間戦えますか?」。当時の働き方は、今の若者にとってはどう見えるのでしょうか?若者の働き方研究の第一人者、ツナグ働き方研究所所長・平賀充記のコラムです。

■24時間戦えますか?

4月の法改正もあり働き方改革が急ピッチで進む令和元年。
その30年前の平成元年、流行語大賞に選ばれたのが「24時間戦えますか?」でした。
今となっては、耳を疑うくらいの強烈なフレーズですが、当時は、まるで違和感なく受け入れられていたように思います。とにかく長時間働くことが美徳であり正義である時代でした。

それにしても(自分も含めてですが)、24時間、ナニと戦っていたんでしょうか(苦笑)。

その背景には終身雇用、年功序列という雇用システムがありました。
就職したら一生その会社で働くのが前提。「忖度」はすべて上司に向いていて、ライバルは社内、家より会社に帰属意識を持つ。強固な「会社内タテ社会」を生き抜く必要があったのです。そんな中で派閥争い、権力闘争、出世レース…。確かに社内で戦いに明け暮れていたのです。「白い巨塔」「集団左遷」「半沢直樹」。こうした社会派テレビドラマに描かれる物語は、大げさでなく、リアルな会社の中でもそこらじゅうで起きていました。

そして、社内で出世レ?スを勝ち抜くためには必須だったのが「仕事量」でした。上長からの評価は、会社のために(=自分のために)どれだけたくさん汗を流せるか。そういう馬力比べ時代の象徴が、「24時間戦えますか?」だったのです。

■リテラシーじゃなくテレパシー

こうして改めて、そのモーレツな働き方を客観視してみたらなかなかシュールな世界だと思いませんか(苦笑)。このように違和感を覚えるようなトンデモな働き方は、今から思うといっぱいあります。

例えば、仕事は教えてももらえませんでした問題。
「いちいち聞くなよ、とにかくやってみろ。シゴトってのは見て盗むもんだ」。
しかし、とりあえず自分でやったらやったで、ちゃんとできてないと怒られる。また、ありがちなのが「言われたことしかやらない」という文句。
当時は、言われたことをやっても怒られていたのです。「なんでそんなことも気づかないの?なんでそこに気が回らないの?」という主旨だったのでしょうが…。今風のデジタルリテラシーは必要なかったけどある意味でテレパシー的なものを要求されていた時代でした。

■カフェは寝るとこ

いま、カフェはノマドワーカーの巣窟となりシゴトをする場所です。
しかし、その昔、喫茶店と呼ばれた時代には、サラリーマンの昼寝場所でした。スマホなんかないから、一回会社を出れば捕まらないわけです。なので夕方までうまくサボりつつ、夕方から会社で残業して頑張ってるアピール。24時間ずっとは戦えないから、うまく手を抜かないとやってられないのです。でも夕方5時から頑張れば、上司に気にいられるし、残業代も増える。
喫茶店での昼寝は、長時間労働時代の必然的ワークスタイルだったのしょう。

■トンデモだった自分たちの働き方に向き合う

拙著『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』で、いまの若者は、オープンに誰とでもつながる「SNSムラ社会」の住人であると指摘しました。会社がすべてだった時代に、クローズドな「会社内タテ社会」を生きてきた我々オトナ世代とは、大きく価値観や行動原理が違います。

いまの若者と向き合う時って、いかにも昭和的な働き方にノスタルジーを感じつつ、つい「オレたちの若かった頃は…」と、なりがちじゃないですか。
しかし、冷静に振り返ってみたら、「オレたちの若かった頃」も相当にヤバいわけです。自分たちが当たり前だと思っていた働き方って、実は異常だったと認めましょう。
過去に向き合うことが、今どきの若者と近づけるヒントになるかもしれませんよ。

■若者を理解するための書籍

『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(アスコム)

ツナグ働き方研究所 所長 平賀充記

(株)ツナググループ・ホールディングスを母体とし、「現場の人材が最も輝く働き方とは」を研究対象に、さまざまな働き方や施策を開発。また、それらを実際に導入することで、その効果を世の中にアウトプットすることをミッションとしている。

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